[ar:] [ti:蜘蛛(くも)の居(い)る沼(ぬま)] [00:22.27]今(いま)は昔(むかし) 古(ふる)き里(さと)の仇(かたき)を 追(お)い掛(か)けて幾千里(いくせんり) [00:32.16]化(ば)けた蜘蛛(くも)の主(ぬし)を殺(あや)め 毒(どく)に呪(のろ)われた躯(からだ) [00:42.59]朧月(おぼろづき)に痛(いた)む手脚(てあし) 見開(みひら)く眼(まなこ)に闇模様(やみもよう) [00:52.76]吐(は)いた糸(いと)が息(いき)を止(と)めて 倒(たお)れた命(いのち)は絶(た)える [01:04.14]苦(くる)しみも恨(うら)みさえ断(た)たれて 御空(みそら)を仰(あお)のく [01:14.56]誰(だれ)も訪(おとず)れぬ此(こ)の沼(ぬま)へ 羽(はね)が迷(まよ)い込(こ)みて [01:25.29]もしも 其(そ)の想(おも)いが 哀(あわ)れな未練(みれん)が 君(きみ)を縛(しば)るのならば [01:35.97]倶(とも)に私(わたし)と逝(い)きましょうと云(い)う [01:41.98]妖(あや)かしの蝶(ちょう) 鮮(あざ)やかな袖(そで)を振(ふ)る [02:10.59]刻(とき)は過(す)ぎぬ 繋(つな)ぎ蝶(ちょう)を 憎(にく)みて追(お)い掛(か)けて幾千里(いくせんり) [02:20.91]「何(なに)を求(もと)め 何(なに)を遺(のこ)す?」問(と)いに囚(とら)われた御魂(みたま) [02:31.75]朧月(おぼろづき)は今(いま)も照(て)らす 静寂(しじま)に転(ころ)がる亡骸(なきがら) [02:42.62]腐(くさ)りながら骨(ほね)と化(か)せば やがては泥(どろ)に交(まじ)わる [02:52.81]現(うつつ)を択(え)るがため 届(とど)かぬ御空(みそら)に刃向(はむ)かう [03:03.98]桜(さくら)の花(はな)散(ち)る 此(こ)の故郷(ばしょ)で 独(ひと)り目醒(めざ)めるなら [03:14.49]いつか 死(し)を誘(いざな)う 優(やさ)しき契(ちぎ)りが 誰(だれ)の救(すく)いと信(しん)じ [03:24.56]羽(はね)を集(あつ)めし竹籠(たけかご)抱(かか)える [03:30.94]蜘蛛(くも)の眼(め)の蝶(ちょう) 白銀(しろがね)の罠(わな)を張(は)る [04:03.73]夜(よる)に耀(かがや)く蜘蛛の網(くものい)を飾(かざ)る 空ろ木(うつろぎ)の名(な)を借(か)りて [04:13.47]枯(か)れた野原(のはら)に 黄昏(たそがれ)の街(まち)に 狂(くる)おしく咲(さ)く [04:23.79]されど 其(そ)の想(おも)いを 哀(あわ)れな未練(みれん)を 嘆(なげ)き続(つづ)けるならば [04:34.71]千(せん)の祈(いの)りと灯(あかし)を弔(とむら)う [04:40.27]愛(いと)おしき蝶(ちょう) 艶(あで)やかな羽(はね)で舞(ま)え