蝶ノ在リ処 歌:霜月はるか 茜さす森に迷い すれ違う言の葉 寂しさの燻るままに 闇夜へと誘う 君の居ない空は苦しくて 俯きながら向かう 此の世の果てへ 手のひらが知る熱は全て跡形なく 消えゆく蝶よ 在りし日の心の灯を それでも信じますか? 瑠璃色の霧に紛れ 満ちてゆく孤独に 初めての涙が滲む袖口を隠した 君の居ない夜に 蘇る想い出よりも近い 此の世の果ての まほろばに在る花のように儚くとも 馨しく咲く約束の代わりに微笑うよ 私は哀しくない——もう泣かない 君が願う空で生きてゆく 逆巻く風と倶に 此の世の果てへ 駆け抜けながら永い道で気づくでしょう 季節を廻り 何処までも夜明けを求めて旅する 蝶の行き先を、其の在り処を、 胸の奥に感じるのなら 君と居たあの日の灯も 確かに此処に在ると