夏、消息不明。 太陽の熱に干上がった僕らの今日が、 コインランドリーの日陰で、 ペットボトルを片手にうな垂れていた 夏、消息不明。 猛スピードで4号線を走り抜けた僕らの悲しみは、 情熱の揺らぎによく似た陽炎にスリップして横転。 廃車置場の片隅に放置されていた。 夏、消息不明。 ここ数年姿をくらましていた、僕らのいつかの夏が、 廃ビルの非常階段にもたれながら、タバコを吹かして 「夏が近いな」なんて言った。