[00:01.56]「夏を待っていました」 [00:07.56]作曲∶秋田ひろむ [00:12.56] [00:14.56]君はまだ覚えてるかな 幼い頃の暑い六月  [00:20.36]廃線になった線路を 僕等はどこまでも歩いた [00:26.03]乗り気で水筒なんかを ぶら下げてきた雅敏は  [00:31.95]おじちゃんに買ってもらったマウンテンバイクを自慢した [00:38.22] [00:44.26]「けどな 俺はおじちゃんが嫌いなんだ  [00:50.01]母ちゃんをいつも泣かせてばかりいるから」 [00:55.75]僕は何だか気まずくなって 目をそらしたんだ  [01:01.94]雅敏の顔に大きな青痣があったから [01:07.60]降りだした夕立に走りだす  [01:10.74]つぶれた無人駅で雨宿り  [01:13.67]明日は何して明後日は何して [01:19.38]くだらない話で笑い転げる  [01:22.46]嵐の予感に胸が高鳴る  [01:25.34]あの時僕ら皆は確かに [01:30.64]夏を待っていました [01:42.05] [01:53.39]ここに居たくないってのと  [01:56.01]どこかに行きたいってのは  [01:58.94]同じ意味なのかな なんにしろ歩こうか [02:04.73]体育と部活が何より苦手な靖人は  [02:10.70]とうとう膝を抱えてこう呟いた [02:16.66]「僕はいつも皆に置いてきぼりで  [02:22.60]本当にダメなやつでごめんな」 [02:28.24]僕らはなんだか笑ってしまった  [02:34.44]つられて靖人も涙目で笑った [02:40.42]背の高い夏草でかくれんぼ  [02:43.49]鬼は迫り来る時間の流れ  [02:46.35]もういいかいまだだよって叫んだよ [02:52.22]僕は今も見つからないままで  [02:55.22]あの時と同じ膝をかかえて  [02:58.29]部屋から青い空を見上げて [03:03.70]夏を待っていました [03:14.74] [03:39.29]身長が高くて喧嘩が強い  [03:45.18]太平はいつも無茶な遊びを思いつく [03:51.19]「この鉄橋に一番 長くぶら下がったやつの  [03:57.00]言うことは何でも聞かなきゃダメだぜ」 [04:02.93]僕らはびびって出来なかったけど  [04:08.33]太平は平気な顔でぶら下がる [04:14.31]7年後に太平はビルから飛び降りた  [04:20.41]そんな勇気なら無いほうが良かった [04:26.59]高層ビルの下でかくれんぼ  [04:29.51]あれから何年がたっただろう  [04:32.39]もういいかいまだだよって声もない [04:38.25]もしも今日があの日の続きなら  [04:41.43]僕らの冒険を続けなくちゃ  [04:44.20]六月の空を僕は見上げて [04:49.62]夏を待っていました [05:12.95] [05:15.95] [05:18.95]【 おわり 】