霧立ちこめる乾いた岸へ 誘う風が吹く ここでひとりであなたを想う それは祈りのよう はらはらと静かに落ちるのは 涙で翳った桜色 花びらは温もりを奪って どこまでも冷たく降り注ぐ とめどなく流れてゆく私の涙 川になり ああ あなた戻る道になればいいのに 音も無いまま深い霧へと 誘う風が吹く 二人を分つ川辺で待つの それは約東のよう いたずらにうつろう時の中 鮮やかに咲いた華の色空蝉の願いを象っ て紅に燃えてる炎のよう 凪いだ川を渡る背に 差し伸べた手は宙を抱き あなたへは もう全てが届かないのに 花開くその向こうに微笑む あなたの姿も 希う胸に浮かぶ 叶わぬ夢 よ とめどなく流れてゆく私の涙 川になり ああ あなた戻る道になればいいのに