ほ ほ ほたるこい ほ ほ ほたるこい ほ ほ ほたるこい 盛者必衰(せいじゃひっすい) 永久(とこしえ)は何処(どこ)にもありません 命(いのち)でさえも 瞬(またた)いた途端(とたん)に消(き)えるもの 贄(にえ)を捧(ささ)げて 厄(やく)を遠(と)ざける村儀式(むらぎしき) 蓋(ふた)を開(あ)ければ 醜(みにく)い厄介払(やっかいばら)いでしょう? 玉響(たまゆら) ゆらゆら 揺れてた 穢(けが)れ知(し)らぬ蛍(ほたる)は 玉響(たまゆら) ゆらゆら 揺れて 淡(あわ)く命燃(いのちも)やして ほ ほ ほたるこい 見知(みし)らぬ者(もの)に玩(もてあそ)ばれる前(まえ)に 私のようになってしまう前に 誰も居ない闇へと消えてしまいなさい 見えない声に四肢(しし)を絡(から)ませて ほ ほ ほたるこい 佳人薄命(かじんはくめい) 誰もが哀(あわ)れみを嘯(うそぶ)き 病(やまい)の果(は)てに 尊(とうと)い贄(にえ)へと仕立(した)て上(あ)げる 皆口々(みなくちぐち)に 全ては世の為(ため)人の為(ため)と 素知(そし)らぬ振(ふ)りで 小さきものを踏(ふ)み躙(にじ)る 玉響(たまゆら) ゆらゆら 揺れてた 穢(けが)れ知(し)らぬ蛍(ほたる)は 玉響(たまゆら) ゆらゆら 揺れて 望(のぞ)み崇(あが)めるならば ほ ほ ほたるこい その契(ちぎ)りは 嗚呼(ああ) 今宵(こよい)壊(こわ)してしまおう 私のような蛍はもう要(い)らない 自(みずか)らあの闇へと消えてしまえばいい 牡丹(ぼたん)の散(ち)った 余韻(よいん)も残(のこ)さずに ほ ほ ほたるこい (あなた方が求めているものは都合(つごう)の良い人方(ひとかた) そんなにもこの蛍を崇(あが)めたいですか 绮丽事(きれいごと)なのだと そんなにも报(むく)いの振りなさりたいのですか 鬼より アヤカシよりも 何より人こそが恐ろくおぞましいもの わかりませんか ならば わたくしがあなた方に正体(しょうたい)を この村(むら)に救(すく)う 丑(みに)い姿(すがた)を曝(さら)け出(だ)しましょう あら このわたくしのどこが汚れのない见えでありましょう っはは ほ ほ ほたるこい 哀(あわ)れみの视线(め)は 悪意(あくい)へと変わる 握(にぎ)りつぶした蛍は私自身(わたしじしん) 鬼の住(す)まう暗(やみ)へと放(ほう)る人々(ひとびと)が どんなものより 狂気(きょうき)に満(み)ちていた 空蝉(うつせみ)の鬼 名付(なづ)けて然(さ)るべし ほ ほ ほたるこい ほ ほ ほたるこい