今宵華咲く キラビヤカナ世界 夕日が溶けて 混じりゆくころ わたしはいつも ここで舞っています この鉢中を泳ぎ回り 見違えるほどの 美しい金魚は 妖艶な笑み染めて それは笑い声にまぎれて 密やかにはじまった 金魚鉢の世界へ どうぞ おいでなさい 歌い文句は夢のような世界 わたしは明日を知らずにいます 泳ぎに疲れた悲しい金魚は 尾もヒレも動じない それは涙さえも隠して シタタカに微笑んで 鉢に夢はないのと言いました 明くる朝には 爪を咬み 忘れましょう いつか、わたしも同じように 金魚と呼ばれましょう アカイベニをさしたら 後には戻れない