無敵を誇った戦士が 私の前で倒れ 途端に観衆がわっと沸いて それで私が勝ったことに気づいた まさかこんな別れになるなんて 生業は悪党 じゃんっじゃんっ 喉をかけ 血しぶき ばっばっ 生きるならこれぐらい ちゃっちゃっ やらなくちゃね この袋金の音 じゃっじゃっ 俺に寄こせと兄貴が かっか 理不尽に殴られる がっがっ そんな最低の暮らしで行き場もない 前にあなたは現れた あなたはここいらでは 無敵を誇るソルジャーで 目をつけられた賊は ことごとく壊滅 兄貴がてめえら怯むなとか 大声をあげ続けていた 目の前で血しぶき ばっば こともなげ なんなく しゃっしゃっ うろたえた兄貴は 逃走しようとしたけど 後ろから問答無用 死体からお宝を回収 そしてあたしに言うんだ 「怪我はないかい もう大丈夫 ひとりでも」 「おうちに帰れるかい」 その日からあたしは 弟子入りをしてついて流離った すべての技を盗んで またひとりからやり直そうという 計画だった 同じもの見て 長い時間過ごした あたしがあの時 悪党だってばれたのは 長年染みついた 手癖の悪さからだった 店主が鼻息荒く見せつける 剣を盗もうとした 気づかれた これはやばい まずい 剣を抜き 振り返りざま 切りつけた 倒した 久々の感触 運の尽き あなたが見てた 覚悟した 兄貴のように 殺される 問答無用 あなたはこう告げた 「この僕と決闘しろ 道は自分で切り開け」 歓声の中 倒れたあなたを見た 利き腕じゃなかった もっと違う形で 出会えてたらよかったのかな