僕らの家の庭先に 願いをこめて植えた種は あの日 突然壊された夢の下敷きになった 住み慣れた部屋 いとしいひと 当たり前だと思っていた 昨日までのささやかなしあわせが すべて消えた朝 瓦礫の下に埋もれた あなたが叫ぶ さよなら 僕にはもう探し出せない いのち抱え 逃げ惑う 傷ついた街を包むように 静かに降る 今年最初の雪 あなたに背を向けた罪を背負って 長い冬を 僕は生きてゆく 瓦礫の下に見つけた 芽吹いたばかりの 種 やがて来る春を信じて 願いが 実を結ぶ 心閉ざす僕を許すように 静かに舞う ふたり夢見た花 冷たい頬の上 行き場のない想いは 溶けて流された 傷ついた街を包むように 静かに降る 今年最初の雪 あなたが眠る場所 祈りを胸に この街で僕は生きてゆく