百花繚乱(ひゃっかりょうらん)ひらいて さんぜ 百花千花(ひゃっかせんっか)と ひらいて さんぜ 春は 桜 花吹雪 夏は 朝顔 蔓(つる)を捲き 秋は 薊(あぞう)の 棘刺(とげざ)して 冬は 雪気(ゆきげ)に 寒椿(かんつばき) ひらけ ひらけや 蕾よ 花に 妍(けん)を競(くら)ひて 季節を飾れ ひらけ ひらけや 四季折々(しきおりおり)と 百花繚乱(ひゃっかりょうらん)浮き世に 咲きほこれ いたづらに 花のお首(くび)を盗(とう)る鳥は 雨に打たれて 帰りゃんせ 花を つむなら ひとつだけ 選び選びて 手折りゃんせ 暁けの 芙蓉は 露に濡れ 昼の 米花蘭(はぜらん) 野に微笑(わら)ひ 夕の 黄菅(きすげ)に 影射して 宵(よい)に人待つ 月見草(つきみぐさ) かおり かおれや 鄙(ひな)に 都に 蝶を 衆生(しゅじょう)を 招きて かおれ かおり かおれや 四季折々と 百花繚乱 浮き世に 咲きほこれ いとをしの 花の命が散るときは ひとひら余さず 見送(おく)りゃんせ 胸に 残りし かなしの虚は 違う御子(はな)では 埋まりませぬ 百花繚乱(ひゃっかりょうらん) ひらいて さんぜ 百花千花(ひゃっかせんっか)と ひらいて さんぜ