何十年(なんねん)ぶりだよな コップの冷や酒は 今なら财布 気にせずに 奢ってやれる この俺に 昔の上野は どこにもないが 昭和の路地の 吹き溜り 酒よ…酒よ… ひとりぼっちの汽笛だよ 工场(こうば)のかた隅の 汚れたアパートも 壊されビルが 立ち并び ドブ板一枚(ひとつ) ないけれど 昔の上野は いい町だった 屋台を引いてた あのオヤジ 酒よ…酒よ… ひとりぼっちの汽笛だよ 心のふる里は 田舎のあの駅舎(えき)か それとも母が 眠る土地 今では家も 他人(ひと)のもの 昔の上野は 睑(まぶた)の里の 涙が帰れる 始発駅 酒よ…酒よ… ひとりぼっちの汽笛だよ