えゝい儘よ恥ぢも棄て去らむ あんた程の男等居らぬ 燃盛る様爪熔けにけり あんただけは奪はれたくない お願ひ何處にも行かないでよ ねえ後生だから傍に置いてよ えゝい儘よ髪伸びにけり あんた故の乙女心さ 如何でも宜し詰まる処は あんたの眼で奪はれたのさ お願ひ誰にも云はないでよ ねえ後生だから秘密にしてよ どんな科白の効力に参つたつもりも無いわ 女の私を信じたきや黙つて「ついて」来い えゝい儘よ廻り諄(くど)いぞなもし こんなことにまう口は使わぬ