セミたちと並んで壁に向かって落書きした ここからは遠い海の絵を この夏はまだ始まったばかり 次の朝その前に女の子が立っていた こんなわたしでもいいならと 僕の絵を一绪に塗り始めてくれた ふたりきりの海を広げよう どこまでも続くような ただ君の塗った跡は 赤色に染まっていた この場所に集められた人たちはみんな同じ 何かを失い続けてた 僕はまだ人を愛することができない いつからかみんなが手に筆を持ってた 話をして 笑いながら色を塗ってた この夏の課題にしようと決めた 僕たちの海を広げよう どこまでも続くような 君の笑顔をそばで 見ていたらそう思えた でもしょせん僕たちは壊れてて伤っけて 失って生きていく 初めからわかってたでも 僕は君が好きになった 守りたいそうおもった それでも僕らは壊していくから 何ひとつ守れない いくっもの季節が過ぎても僕はここでひとり 壁に向かって絵を描いてた 僕はまだ人を愛することができない どうして泣いているんだろう この空を描き終えれば 長かった夏が終わる 君を好きでいた夏が 溢れる涙は止まらずに 泣きながら描ききった もう誰もいない海 君と目指してた海