「あの娘は あなたが好き だから 送ってあげてね」 少しだけ 大人のふり だけど後悔している 私のことを 心の底(そこ)で 一番好きだと 信じていたから あなたを 今夜だけ わたして帰って来たのに 電話のベルの音も まだ鳴らない いつでも こんな私 自分で嫌になるけど 素直に なれないから いつも 外(はず)れくじ 「ひどい娘だね」って 受話器(じゅわき)のむこうで 今すぐに 怒ってくれたら 少しだけ強くなって あなたから離れないのに 電話のベルの音も まだ鳴らない 私のことを 心の底(そこ)で 一番好きだと 信じていたいの 二人で 肩並べた 写真は笑っているのに 電話のベルの音も まだ鳴らない まだ鳴らない まだ鳴らない 終わり