雲母(きらら)かな風うけそよぐ髪 曦(ひかり) 追い駆ける君 願いに一途振返もせず 険峡(けんきょう)の道を行く とうか弧に吹かれ 暗(く)れ感ひませむように どうか赫灼(かくしゃく)の陽に 囿(とらわれ)ませむように 赤い花が咲く 君の花が咲く 刺すほどの日差し怯(ひる)みもせず 花咲く 夏の煌めきに浮かれうたふ 歓喜の声もいつか 憂(うれ)ふ秋雨に醒め静み 冬枯(ふゆが)る里へと還る どうか引き急ぐ潮の音に 惨(いた)みませむように 信(しん)に君憶(おも)ふ優しさに 還られますように 赤い花は咲く 散りて尚うつくしく 涙は肥となり 悲は深き色となり 赤い花が咲く 君の花が咲く 刺すほどの日差し怯(ひる)みもせず 花咲く 赤い花は咲く 燃ゆるように赫く 幾朝陽を浴び ふたたび君の花は咲く