[00:00.00] 作词 : 中原中也 [01:04.16]月夜の晩に、ボタンが一つ [01:16.72]波打際に、落ちてゐた。 [01:28.36] [01:29.31]それを拾って、役立てようと [01:41.78]僕は思ったわけでもないが [01:54.62]なぜだかそれを舍てるに忍びず [02:07.50]僕はそれを、袂(たもと)に入れた。 [02:15.69] [02:16.74]月夜の晩に、ボタンが一つ [02:29.86]波打際に、落ちてゐた。 [02:41.91] [03:18.12]それを拾って、役立てようと [03:24.69]僕は思ったわけでもないが [03:30.48]月に向ってそれは抛(はふ)れず [03:37.10]浪に向ってそれは抛れず [03:46.48]僕はそれを、袂に入れた。 [03:57.94] [03:58.78]月夜の晩に、拾ったボタンは [04:11.46]指先に沁み、心に沁みた。 [04:23.22] [04:23.55]月夜の晩に、拾ったボタンは、 [04:37.06]どうしてそれが、舍てられようか? [04:50.53] [04:53.81]終わり