置き去られたままの 朽ちた時間を抱いてささやく声 吐息飲む音さえ遠く 滲んで消える 明けない夜 ほんの僅かな光さえ 許されずに 塗りつぶされていった 立ちすくみ動けない足元 濁りきった紅に染まる影 あえぎ叫ぶ声はどこにも届かない 早く、早く ここを跡形もなく消して 帰る場所求め さまよい続ける 捨て去られたままの 朽ちた亡骸抱いて笑う声 ざわつく鼓動ごと 耳鳴りが包んでゆく 震える指 開く扉の向こうには 赤い闇が どこまでも続いていた 望み無くし 長い髪に捕われたなら 砕け散った骨片に埋もれ やがて腐り落ちてゆくのか 目隠しの隙間から覗いた 歪みきった笑い顔 崩れてく 夢が覚めた夢は冷たく横たわり 赤く、紅く溢れ 止まらない 立ちすくみ動けない足元 濁りきった紅に染まる影 あえぎ叫ぶ声はどこにも届かない どうか、どうか ここを跡形もなく消して 還る場所求め さまよい続ける