[00:00.00] 作曲 : 柴草玲 [00:01.00] 作词 : 柴草玲 [00:16.80]山の音がする 山の匂いがする [00:28.94]あの日私の小さすぎた足跡 [00:42.76]山の手ざわり 山の言葉 [00:54.93]あの日私が夢中になったアリジゴク [01:03.73] [01:08.30]この石段を昇り切れば小さな御堂があって [01:21.27]この石段を下り切れば待ってる人がいた [01:33.06] [01:34.22]あと60年たったなら 私の身体も消え去って [01:47.24]あと60年たったなら あの梢だって軽々と飛び越えられる [02:01.70] [02:16.81]山の朝霧が 足元を濡らすよ [02:29.28]少しだけ気の早いツクツクホウシ [02:42.67]この山の朝を あなたにも見せたいよ [02:54.82]いつか二人で 二人きりで歩いてみたいよ [03:03.84] [03:08.23]この石段を昇り切ればあの日の私がいる [03:21.24]この石段を下り切れば街へと続く道 [03:33.25] [03:34.24]あと60年たったなら 私の身体も消え去って [03:47.23]あと60年たったなら 見返りも求めず [03:56.74]あなたを愛せるかもしれない [04:02.06] [04:13.32](並ぶ杉の木.ひのきの小枝.セミのぬけがら.カミキリムシ. [04:19.73]石の野仏.馴染みの地蔵.赤い前かけ.おだやかな顔. [04:26.26]記憶をたどる.低いえんがわ.恐くて泣いた.古い手洗い. [04:32.68]そして水アメ.固いトウキビ.もぎたてキュウリ.甘い水蜜. [04:39.20]そしてあの庭.かわいい野菊.夕顔畑.大きさくらべ. [04:45.72]疲れて眠る.午後の微睡み.あおぐ団扇と.天井の顔. [04:52.15]絶えず聞こえる.せせらぎの音.絶えず感じる.前山の風. [04:58.65]前山の風.前山の風) [05:00.54] [05:01.81]前山の風が私を [05:07.75]涼しげに ああ 追いこしてゆく [05:17.02] [05:18.04]あと60年過ぎるまで 私の身体が消えるまで [05:30.95]あと60年過ぎるまで 終われない歌はまだ 石段の途中 [05:45.57] [05:50.62] [05:57.10]終わり