水色の照明に照らされて 最初から嘘でできたこの世界で 私はたゆたっている 分厚いガラスの向こう側のベンチで 平日のまばらな人の中で 君は無表情でいる 見つめあうことじゃなくて 抱きしめあうことじゃなくて 君は孤独に恋をした 恋をした 安全と退屈に守られたプールで 描いている当たり前な未来の順路に 君は無関係なまま 繰り返す波のような 満ちてゆく月のような 君のリズムに恋をした 恋をした わかってるから 別々の世界で生きてる君にこの声が届かないこと あふれ出る涙も ゆらゆら溶けて何一つ残らないこと 水色の照明に照らされて どこまでも嘘でできたこの世界で 分厚いガラスの向こう側のベンチで 永遠の平行線をたどって ねえ 笑ってほしいって 名前を呼んでほしいって どうやって伝えたならいいの このガラスを破って ずっと君のそばにいたいよ いたいよ いたいよ って心の中で叫んだ わかってるから 別々の世界で生きてる君にこの声が届かないこと あふれ出る涙も ゆらゆら溶けて何一つ残らないこと それぞれの世界を 生きてくために何一つ願わないこと 然るべき未来に この身をゆだねて ただただ たゆたうこと 水色の照明に照らされて