[00:15.93]昔々 栄えし国の [00:23.73]王子がひとり狩りへと出た [00:29.62]禁忌の森に入り [00:34.72]崖に足を取られて [00:39.92]気が付けば月も落ちぬ夜 [00:46.72]そのとき眩暈のなか 近づくのは金色の姿 [00:56.52]気高く聳えた角 一頭の神々しい牡鹿 [01:06.12]不思議な光に向け 若者は我を失くしたように [01:16.02]弓を構えて 狙いを定めて [01:21.02]撓む弦に鋼の矢 [01:26.12]命など惜しまぬと [01:31.22]鹿は銀いろの声で云う [01:36.42]だがこの森守るわたしが [01:41.52]死ねばすべては茨となり [01:46.62]おまえの都も滅びるだろう [01:51.92]心臓を突き [01:56.92]金の首と剥いだ皮 [02:02.02]勇んで城に運ばれる [02:18.52]幾年か経ち王子は王に [02:28.92]戦破れ国は衰え [02:35.32]茨伝う城壁 [02:40.42]嘆き交わす人々 [02:45.52]愛も幸も遠去かりゆく [02:52.42]やがては喰うものまで 底を尽き飢えと渇きのなか [03:02.32]森へと訪えども朽ちた木々 芽のひとつもなく [03:12.12]泉も涸れ 獣の影さえなくただ風が通り [03:22.02]疲れ頽れ ふと目を上げれば [03:27.12]黄金の幼き牡鹿 [03:32.22]あなたは父の仇 [03:37.32]いつかと同じ声が響く [03:42.52]でも屍と化した国を [03:47.62]再び甦らせるのは [03:52.72]あなたをおいては誰もいない [03:57.92]永遠の わたしのこの血肉で [04:03.02]国人を救えるだろう [04:08.12]命は捧げましょう [04:13.22]鹿は銀いろの声で鳴く [04:18.32]王は涙をこぼしながら [04:23.52]やわらかな胸へと矢を射る [04:28.62]あの日の過ちを心から懺悔して [04:38.72]悔い改めた王は禁色の光と生きる [04:48.82]死ぬまで二頭のアラ皮 [04:53.92]纏いつづけながら