私は造られた兵器 大切なものも 自分で壊してしまった そう あれは あたたかい家 愛されるぬくもり はじめて知り つつまれた 雨降る 私の誕生日の夜 偽りの幸せの時計は そこで止まった かすかに鐘の音 重く響いて 扉を叩く人影 暗闇の記憶 呼び覚まし 傾れ込む 闇に舞う 黒い影 母を襲う 刹那 光の竜がふたり はばたく 抱きしめた あたたかい母の中で 私 目を閉じ ギュッと抱いた 小さな手 声が聞こえた 意識は遠く 引き摺り込まれ ―――違うの やめて・・・! 竜族を粛清するために 放たれた私を 無言で助け 家族に・・・ 抱きしめた あたたかい母を襲う 刹那 見開き 闇に舞う 真紅い血 右の手が異形の姿 ああ・・・! ―――あなたのせいじゃないわ 微笑む なぜか溢れ止まらない 私はただの鉄の塊 錆びるだけの有害な水滴が 冷たい粛清対象の頬に滴り 代わりに紡ぐ 思い・・・ その後 目にした惨状に 父は妹たちの片翼を斬り 山に置き去った