いよいよ書道展の日がやってきた。忙しく挨拶周りをしていると、時間がどんどんと過ぎていく。しかし…彼女の姿は、一向に見えない。 その時、駆け足で一人の女性が飛び込んできた。彼女が顔を上げると、目が合った。その人は…僕がずっと会いたかった人だった。 「遅かったね。来てくれないかと思ってた。僕は…君にひどいことをしてしまったから…ん?この書?そう、僕たちが出会った時君が見ていたものと同じ字だよ。その顔はやっぱり僕が書いたって信じてなかったんだね?ふう、別に怒ってないけど。」 「伝えたいことがあるんだ。僕の本当の気持ちを聞いてほしい。無理にキスしてごめん…それは心の底から反省してる。僕はいままで本気で誰かを好きになったことがなかった…一人の人と向き合うのが怖くて…ずっと逃げてきた。でも…君と出会って、はじめてありのままの自分でいたいと思った。君を知るたびにどんどん好きになっていた。最初は友達でもよかったはずなのに… 本当はね、二回目のキスをした時、僕はもう君に会えないと思ってた。君に友達でいようと言っておいて…友達以上のことをしてしまったから。でも…今日また会えて、嬉しいよ。「万代」、この意味は「永遠」っていうんだ。僕の思いは前にも伝えたけど、改めて言わせてほしい。この字に誓う。愛してる。僕が愛してるという言葉を捧げるのは、これから先も君だけだ。君が誰を好きでもいいよ。僕は、君を好きになったことを後悔しない。こんなに幸せな気持ちにさせてくれて、ありがとう。」 「なんで泣いてるの?は…嬉しいって?えっ、それって…ずっと好きだった人って…まさか僕?!…どうしよう?そんなこと全然考えてなかった…ずっとほかに好きな人がいると思って…ねえ、嬉しすぎて、いますぐ君にキスしたい!駄目かな?周りの人が見てるって?そんなの関係ないよ!いま僕は君にキスしたいだけなんだから…」 <キス> 「愛してる。何度でも言うよ。愛してる!」 <キス> 『百年に老舌出でてよよむよもわれはいとはじ恋は益すとも』 このままずっと一緒にいよう。どんなに時が流れても、僕は絶対に君を嫌いになったりしない。ますます愛しくなるよ。 「遠回りして、ごめん。そして…ありがとう。」