「あは~この間のぼーっとしてた子!へぇ~今日は一段とかわいいね。髪形変えた? 今日着てる服もとっても似合ってる。この間とはまたイメージが違って、ドキドキしちゃうな。 そうだ、いま友達と話していたんだけど…これから皆でちょっと早い忘年会をするんだ。 よかったら、君も来ない?ん?これから調べ物があるから行けない?そっかぁ~なら、仕方ないね~ じゃあ、今度は二人きりで、ゆっくり飲みに行こう~約束…ね?あっ、友達が来た。」 「彼女を誘ってみたんだけど、駄目だってさ。可愛い子は忙しいんだよ。 ほら、早く行かないと~コムシ(?)、もう行こう~」 少し離れたところにいる友達に声をかけると、輪の中の数人が寄ってきた。 「だ~から、無理に誘っても仕方ないだろう。忙しいって、僕が聞いたんだから、間違いない。」 僕がそう言うと、友達の一人が彼女の肩を掴んで耳元でなにかを言おうとしているのが目に入った。 「おい、その手離せよ!彼女に触るな!いくら友達のお前でも、彼女になれなれしくするのは許せない。 彼女に触れていいのは、僕だけだ。フン~面倒くさい~僕今日行かないから、お前たちだけで勝手に行けば。じゃあね~」 「ははは~ねぇ、見た?さっきの奴の顔。うん?友達にそんなこと言って平気なのかって?大丈夫大丈夫~皆、また僕の気まぐれがでたと思ってるだけだよ。 それよりも…さっきあいつに掴まれた肩、痛くない?ごめん。もう少し早く助ければよかった。守れなくてごめん…」 心配になって顔を覗き込むと、彼女はいつもの笑顔で平気だと答えた。 『足柄の和乎可鶏山の殻の木の我を誘さねも門さかずとも』 もっと君に話しかけてほしい。笑ってほしい。少しぐらい僕がつれない態度を取ったとしても… 君への思いは単なる遊び?それとも…僕は、僕自身がよくわからない。