蝉の声を聞く度に 目に浮かぶ九十九里浜 皺々の祖母の手を離れ 独りで訪れた歓楽街 ママは此処の女王様 生き写しの様なあたし 誰しもが手を伸べて 子供ながらに魅せられた歓楽街 十五になったあたしを 置いて女王は消えた 毎週金曜日に来ていた 男と暮らすのだろう 女に成ったあたしが 売るのは自分だけで 同情を欲したときに 全てを失うだろう JR新宿駅の東口を出たら 其処はあたしの庭 大遊戯場歌舞伎町 今夜からは此の町で 娘のあたしが女王