堕ちた世界の終焉で 絶間ない赤を抱く 贖罪を掻き分けて 白蓮の意思は阡年回廊 忽然、視界の中心で 揺れる感情と裏腹に 真直ぐな銀色線(ぎんしょくせん)は 只、掌で囁いて居た 「…きっと其んな意図なんだ。」 蜘蛛を掴む様なモノガタリ 貴方が何様なんだとしても 救いの亡い莫迦だったとしても 千断(ちぎ)れそうな愛の様な“賽”を 手繰り寄せたんだ 其の糸が地獄に照り返る “赤色”なんだと気付いて居ても -僕は其れに縋る事しか 出来無かった訳ですから。 堕ちた世界の中心で 絶え間ない夢掴む ふと底を見下ろす 幾千の四肢が縋っていた どれだけ伝って来たのか? どれだけ足掻いて来たのか? 咽び泣くは血の池の様 蠢き喚くは罪人(つみびと)模様 手を差し伸べた訳じゃ亡いのだろう 貴方は僕が足掻く様を見て 嘲笑っておられたのだろう? かつて僕が“そうした”様に 「…其れでも愛していたんだ。」 蜘蛛を掴む様なモノガタリ 貴方が神様なんだとしても “救い”と云う釈迦だったとしても 千断(ちぎ)れそうな愛の様な“賽”に しがみついたんだ 其の糸が地獄に照り返る “赤色”なんだと気付いて居ても -僕は其れに縋る事しか 出来無かった訳なんだ 貴方が何様なんだとしても 救いの亡い莫迦だったとしても 千断(ちぎ)れそうな賽の様な“愛”を 求めてしまったんだ 『この糸は己(おれ)の意図だ!』と 叫んで断れた雲の異図、ああ -僕は其れに縋る事さえ 出来無かった訳ですから