[00:00.00] 作词 : 中原中也 [00:13.90]月夜の晩に、ボタンが一つ [00:17.54]波打際に、落ちてゐた。 [00:20.67] [00:21.48]月夜の晩に、ボタンが一つ [00:25.35]波打際に、落ちてゐた。 [00:28.67] [00:30.53]それを拾つて、役立てようと [00:33.69]僕は思つたわけでもないが [00:37.14]なぜだかそれを捨てるに忍びず [00:41.60]僕はそれを、袂(たもと)に入れた。 [00:45.05] [00:46.98]月夜の晩に、ボタンが一つ [00:50.24]波打際に、落ちてゐた。 [00:55.14]月に向つてそれは抛(はふ)れず [00:59.57]浪に向つてそれは抛れず [01:03.70] [01:05.89]月夜の晩に、拾つたボタンは [01:09.51]指先に沁(し)み、心に沁みた。 [01:12.61] [01:13.43]月夜の晩に、拾つたボタンは [01:18.08]どうしてそれが、捨てられようか? [01:23.36] [01:24.19]月夜の晩に、ボタンが一つ [01:27.44]波打際に、落ちてゐた。 [01:30.67] [01:31.82]月夜の晩に、ボタンが一つ [01:36.10]波打際に、落ちてゐた。 [01:40.87] [02:01.91]月夜の晩に、拾つたボタンは [02:06.30]指先に沁(し)み、心に沁みた。 [02:10.58] [02:10.75]月夜の晩に、拾つたボタンは [02:14.53]どうしてそれが、捨てられようか? [02:18.74] [02:20.88]終わり