その男は 薬品のビンのように立ち上がり 新しい色をしてみせた あの光はギンヤンマ いいやまぼろし くずおれた松の木を 抱えた敵よ 折り合う話なぞ いっそ語らずに てんでのさいはてを 一気に呑み干して 君はもうゆけばいい 握手などせずに 山吹のあの角が 空の分岐点 口笛は異郷の鳥を呼ぶものよ 出会わないそれらは いつまでもあざやかだ その男は 薬品のビンのように立ち上がり 新しい色をしてみせた