[ti:歩道桥] [ar:友川かずき] [al:ゴールデン☆ベスト] [00:32.48]歩道橋の上から愛が見える [00:45.46]汗を拭き乍らセールスマン風の [00:58.53]男が歩いてく [01:05.90]かごの中で鳥は狂い乍ら死んだ [01:18.90]枯れてうつむく赤いとうがらしの花 [01:31.14]歩道橋の上から愛が見える [01:44.89]僕死ぬのは厭だ 僕死ぬのは厭だ僕 [02:00.89]歌はひとつの「かご」かもしれないな [02:34.52]自動車〜弟、友春君への詩 [02:49.18]吠え面をビュービュー [02:51.30]かくようなスピードで [02:52.64]空漠の中を若い自動車達が [02:54.87]走って行った [02:59.49]その後を追うように文句を [03:00.82]沢山用意して警察の [03:02.54]自動車が走って行った [03:09.13]そんな事よりすべてを土に返せば [03:11.20]いいんだと葬儀屋の自動車が [03:12.85]走って行った [03:18.42]幸福を幾つも幾つも笑った数字で [03:20.37]表わし乍ら結婚式場の自動車が [03:23.13]走って行った [03:27.73]四角く茶色い風景の中で [03:29.64]リヤカーに腰掛けた老人が [03:32.26]それをじっと視ていた [03:37.70]俺は石に坐ってその老人を [03:39.79]じっと視ていた [03:43.92]首に手拭いをした真っ黒な [03:45.29]優しい顔立ちだった [03:50.10]この老人と俺はいつ [03:50.77]一緒になるのだろう [03:54.00]法律と人生は自動車よりも [03:55.67]もっともっとスピードが [03:56.93]速いかのようだ [04:02.64]気が付いた時にはそこには [04:04.17]もう俺も老人も居なかった [04:08.72]静かに遠いエジプトの砂ぼこりが [04:10.74]少女のように舞っていた [04:15.88]今思い返してみると [04:17.38]あの自動車を運転していた人達は [04:19.92]みんな俺の青春だったような気もする [04:24.33]時間ばっかりやたらとかける [04:26.86]三流絵描きの故里だったような気もする [04:37.12]はっきり憶えている事は [04:38.45]夫々画用紙の顔をしていて [04:41.02]首から拳銃をぶらさげていた事だ [04:48.62]走り乍ら拳銃を撃つのは [04:50.14]むずかしいんだろうか [04:53.36]ねえ君は知ってるんだろう [04:58.33]ねえ君こそ知って るんだろう [05:04.77]気の強い男の眼玉が [05:06.24]花火のように今打ち上げられた