夕暮れ刻(とき) 薄れゆく光が 障子の隙間から 刃の如き手を差し伸べる 僕に?共に消えようと 誘っているかのように 嗚呼 それもいいかもしれない この?悲しみとは違う 悔恨(かいこん)とも異なる 言の葉にならない思い 全てが?無に帰するのなら 茫漠(ぼうばく)たる闇? 墨絵のようなこの風景を 一刻も早く?暗黒に塗り潰してくれないかな? 僕の?この侮蔑(ぶべつ)すべき懊悩(おうのう)を 名づける術(すべ)もなく?葬るために 幽(かす)かな光?早く逝(ゆ)けばいい 忌々(いまいま)しいこの思いを? どうか照らさないで --目を閉じて見える闇に?僕は この病葉(わくらば)の如き身を横たえる? 滅びゆく光? 君はまた 明日には?輪廻(りんね)するだろう その時 君に見(まみ)えることができるのかどうか 僕は?知らない ただ?願わくば?光 血飛沫の中で? 抜け殻になった僕を?照らさないでおくれ この終焉に近づく身体(からだ) ときに?変化(へんげ)する忌むべきこの身に ふさわしいのは闇 光の欠片(かけら)すら見えぬ闇 --目を閉じて見ゆる闇に? 計り知れぬ渦の中に?僕は堕ちてゆく? もしも?再び 違う時代に生まれ変わることがあるのなら その時?僕は何を見るのだろう ここにある曖昧に歪んだ漆黒も その時は?生まれ変わっているのかな 己(おのれ)と対峙したときだけに生まれる この懊悩の息の根を止める日 僕は?人知れず宿命の弓に射られるだろう --目を閉じて見える闇?茫漠(ぼうばく)たる闇? そこに散華(さんげ)し 胎内で深く眠る赤子の如く ひとり?身を横たえるために?