静かな海沿いの闇深き道を 一人馬に揺られ僕はただ進む 見上げれば丸い月が空を照らし 淡い光は足元には届かず 水面には丸い光の映し身 波揺れて 幻に 呑まれ消え行く 穢れし罪人の歩み止めること 聖なる行いと信じたあの頃 気付けば誰よりも穢れた自分の 魂救う道などありはしない 数多の命奪いしこの両手 消えることなく浮かぶ紅い幻 あの日初めて僕は気付いた 守るべきもの持つ眼差しに 暗闇に 心囚われたはずの 彼らが胸に抱く光に かつての敵と味方とに追われながら 成すべきことはまだ残されているはず 二度と取り戻すこと叶わないけれど 同じ過ちを繰り返させはしない ただ一つの願いを託して 一度だけ立ち止まり遠く夜空見上げる 白む夜空見上げる