[00:00.00] [00:17.84]クジラ病棟の或る前夜 [00:33.07] [00:35.89]「ねえ、最後に話をしよう」 [00:40.05]灰色の管、繋がった君の口元 [00:44.64]「そうだ、少し頼りないような、 [00:48.81]君の下手な歌、好きだったよ」 [00:52.61]煤けたカーテンに囲われ、 [00:57.00]夜中の秘密みたい。 [01:01.41]機械に飲まれてく [01:05.70]君の血、吐く息、心臓の音。 [01:09.81]それでも、美しいね。 [01:14.14] [01:14.45]意味もなく、なぞるように [01:16.61]名前を呼び合って [01:18.44]最後の夜の約束 車椅子の花嫁 [01:23.33]「君に愛されて生きてこれたこと、 [01:27.22]とても幸せに思うの。 [01:29.69]だから泣かないで、ねえ」 [01:32.67] [01:50.16]「ほら、君が好きだって言った [01:54.20]映画の終わりも、こんな風だったね」 [01:58.82]「ちょっと理科室みたいな匂い。 [02:02.96]仲が良かった子、どうしてるかな」 [02:06.80] [02:23.86]二度と季節は巡らない。 [02:27.76]二度とページはめくられない。 [02:32.20]水も吐いてしまう花束は、眠ったまま。 [02:39.28] [02:41.11]黒い空、堕ちてくる 悪い夢を見た。 [02:45.23]涙の海に沈んでく、僕の街の夢を見た。 [02:50.14]きっと何一つ、夢なんかじゃなかった。 [02:53.96]夢の中でも君だけは、いつも正しかった。 [02:58.67]張り詰めたサイレンと、汽車を待つ君の六月 [03:05.47] [03:07.41]許せないこの僕をもう一度、許してほしい。 [03:14.17]