[00:20.380] [00:22.420]深度、段違いに潜りきった地図にない底に [00:25.180]コーデュロイの海月、無色透明の寄生魚 [00:27.640]気体バルーン纏った潜水艦、進め [00:29.910]サーチライト照らせ照らせ 岩窟の深奥層 [00:32.520] [00:37.090]昼も夜も鉄の闇夜 パイプ管の振動 [00:39.350]唯一の手記だけを頼りに沈もう [00:41.970]使い古された合図なんて必要ない [00:44.460]重油の匂いに塗れ降下を乱すな [00:46.850]水圧も静寂も目下アンダーゴウ [00:48.900]さあ文明に隠された真実論争 [00:51.570]眼前の浩々たる海底都市を… [00:54.170] [00:55.510]そこに愛はあった?誓いはあった [00:58.580]どこかで報われた [01:00.730]日照りも、夜空も、生命も [01:02.730]吸い取られた歴史の傷跡 [01:05.600]明日があって、家庭があって [01:08.240]未来に包まれて [01:10.540]もうそんな音もすっかり止んだ [01:13.240]水で満ちても [01:14.350]深い水底で虹は架からないの [01:17.830]栄光の対価 禁制文明 落下 [01:20.270]行き過ぎた動力源の艦用 暴走脱法 [01:22.830]幻想の買い手 権力者逃げ去って [01:25.150]黒い塊は空白に成り済ました [01:27.680] [01:39.440]幸せそうなネガフィルムの目 [01:41.780]指輪と髪飾り 安息の地 [01:44.380]終幕を綴ったタイプライター [01:46.600]鳴らなくなった枯淡の鐘 [01:49.220] [01:51.610]蒙昧な生活も紺碧に染まった [01:54.020]艦望鏡で見やった生態の退化 [01:56.390]人は何処へ行ってしまったのだろう [01:58.820] [02:14.890]「帰りを待ったどんな言葉も [02:17.230]母も子も夢も、愛の蜃気楼 [02:19.730]明日を見せてと祈りました」 [02:23.600] [02:24.440]朽ちた木の壁に彫り刻まれた [02:26.990]諦めきれない最後の叫び [02:29.400]「向こうで先に待っています」 [02:33.460]でも命はあった [02:35.260]崩れた街は眩しく包まれた [02:38.620]瓦礫や緑の家から [02:40.570]夜光虫たちが溢れて弾けた [02:43.550]儚く散った 麗らかだった [02:46.090]すべてを確かめた [02:48.400]想像を超えた、時代を超えた [02:50.990]幾万里深い底に残された想いは [02:53.650]仄かな声を上げた [02:55.510]そして、また、長く眠ってしまう [02:58.320]栄光の対価 [03:00.550]行き過ぎた動力源の艦用 暴走脱法 [03:03.070]幻想の買い手 権力者逃げ去って [03:05.370]黒い塊は空白に成り済ました [03:07.940]海面に帰った潜水艦は嘆いた [03:10.130]消された文明は確かにそこに在った [03:12.650]始まりのようで終わるような海だ [03:14.940]そして誰からも愛されなくなった街だ [03:17.460]