[offset:500] [00:00.49] [00:00.55]体と心とが、離れてしまった。 [00:14.56]居直れ我が生命よ。 [00:22.46]現と夢の往来。行き交う途中で、 [00:36.38]居堪れない過去ども此処に消えろ。 [00:45.03] [00:48.42](木枯の喧噪に二人紛れ込んでいたらば、 [00:57.44]如何して互いを見出せようか。) [01:02.91]とても叶わない。 [01:08.41]見分けがつかない。 [01:14.13]若かりし日、統べてを握った利き手も [01:23.08]草臥れて居る。 [01:25.79]噫…充たされないで、識らないで、 [01:40.01]追い掛ける影の美しさよ。 [01:50.93]皆まで言うな。 [01:57.02]憧れ続けていた筈の、 [02:08.39]孤独と自由が首を絞める。 [02:23.77]なんてこの世は果てしないのだろう。 [02:36.87] [02:39.54]言葉と感覚が、結ばれぬまま。 [02:51.17]居直れ我が生命よ。 [02:57.86]現と夢の反芻。繰り返す体で、 [03:09.52]知る由もない未来ごと此処に失せろ。 [03:16.55] [03:18.40](新緑の平穏にただ浮き足立っていたらば、 [03:26.03]あらたな己に出会せようか。) [03:30.68]最早何ぶん諸々を聞き飽きて居る。 [03:36.00]噫…囚われないで、云わないで、 [03:48.28]為遂げる光のしなやかさよ。 [03:57.28]至らなかった。 [04:02.37]忌み嫌い続けていた筈の、 [04:11.89]無欲と空虚が胸を占める。 [04:24.69]なんてこの身は頼りないのだろう。 [04:35.54]あまりに何も無い。 [04:41.04] [04:43.82] [04:46.20]おわり