[00:32.177] その日の朝が来ると僕はまずカーテンを開き [00:38.554] 既に焼けつくような陽射しを 部屋に迎える [00:45.503] 港を行き交う船と 手前を横切る路面電車 [00:52.466] 稲佐山の向こうの入道雲と 抜けるような青空 [00:59.918] In August nine 1945 [01:03.185] この町が燃え尽きたあの日 [01:06.351] 叔母は舞い降りる悪魔の姿を見ていた [01:13.240] 気付いた時炎の海に独りさまよい乍ら [01:20.188] やはり振り返ったら稲佐の山が見えた [01:27.217] もううらんでいないと彼女は言った [01:34.499] 武器だけを憎んでも仕方がないと [01:41.155] むしろ悪魔を産み出す自分の [01:44.529] 心をうらむべきだから どうか [01:48.497] くり返さないで [01:54.874] くり返さないで [02:02.490] 広島の空に [02:09.027] 向かって唄おうと [02:16.078] 決めたのは [02:21.561] その時だった [02:37.745] 今年のその日の朝も僕はまずカーテンを開き [02:44.011] コーヒーカップ片手に 晴れた空を見上げ乍ら [02:51.157] 観光客に混じって 同じ傷口をみつめた [02:58.074] あの日のヒロシマの蒼い蒼い空を思い出していた [03:05.324] In August six 1945 [03:08.574] あの町が燃え尽きたその日 [03:11.819] 彼は仲間たちと蝉を追いかけていた [03:18.711] ふいに裏山の向こうが 光ったかと思うと [03:25.630] すぐに生温かい風が 彼を追いかけてきた [03:33.050] 蝉は鳴き続けていたと彼は言った [03:39.976] あんな日に蝉はまだ鳴き続けていたと [03:46.847] 短い生命 惜しむように [03:49.640] 惜しむように鳴き続けていたと どうか [03:53.959] くり返さないで [04:00.692] くり返さないで [04:07.571] 広島の空に向かって唄ってる [04:21.782] 広島の空も [04:28.468] 晴れているだろうか [04:35.382] くり返さないで [04:42.141] くり返さないで [04:49.187] 広島の空に向かって唄ってる [05:03.137] 広島の空も [05:10.125] 晴れているだろうか