[00:03.33]3人の可愛い姉妹と、吊り橋の下に潜むモノ。 [00:07.49] [00:13.75]月は青く輝き、風は鳴りやまない。 [00:20.62]吊り橋の下、潜むケモノ、 [00:26.56]渡るモノを貪り喰らう、村ビトのウワサ。 [00:32.27]母親は病いに倒れ、娘達は心に決めた。 [00:38.24]治すための薬草は、谷の向こう。 [00:44.04]末っ子が心配そうに「ねえ、取りにいけるかな?」 [00:49.73] [00:50.03]雲が月を隠し 星は瞬きはじめ、 [00:56.05]吊り橋の下。潜むケモノ、 [01:01.85]エモノが来るを待ってる、村ビトのウワサ。 [01:07.81]揺れる吊り橋の下、潜むモノは真っ黒。 [01:13.61]長女が元気つける様に、 [01:16.91]「絶対いける!母さんのためならばぜんぜん怖くはないんだからね!」 [01:25.31]心の奥から滲み出た罪、カタチになるココロの矛盾。 [01:31.70]「優しいと残酷って、いっしょにいられるの?」と次女は言う。 [01:39.11] [02:02.81]吊り橋は細く狭く、一人ずつしか渡らない。 [02:08.76]最初に渡った末っ子は出逢ってしまうあのケモノ。 [02:14.56]震えて命乞いも無駄ダモノ、ケモノは叫ぶ。 [02:20.48]「次に渡ってくる子は。私より美味しいですよ! [02:26.79]私よりずっと可愛いし、どうぞ代わりにしてくれませんか?」 [02:32.29]末っ子がそう伝えると、ケモノは悩み、 [02:38.24]「そいつが来るのを待とうか、おまえの代わり。」 [02:44.05]こうして末っ子は無事に吊り橋を渡る事、出来ました。 [02:50.20]吊り橋は細く狭く、一人ずつしか渡らない。 [02:56.15]次に来て渡る次女も出逢ってしまうあのケモノ。 [03:02.10]震えて命乞いも無駄ダモノ、ケモノは叫ぶ。 [03:08.10]「次に渡ってくる子は。私より美味しいですよ! [03:14.15]私よりずっと賢いし、どうぞ代わりにしてくれませんか?」 [03:19.81]次女が丁寧に伝えると、ケモノは悩み、 [03:25.70]「そいつが来るのを待とうか、おまえの代わり。」 [03:31.51]こうして次女は無事に吊り橋を渡る事、出来ました。 [03:37.43]最後に渡ってきた長女に、同じように問いかける。 [03:43.39]震えて命乞いも無駄ダモノ、ケモノは叫ぶ。 [03:49.29]震えて命乞いも無駄ダモノ、長女も叫ぶ。 [03:55.20]角折って、皮はぎ、ハラワタをえぐって、静かになった。 [04:01.30]ゆすられる吊り橋の上で、佇む黒い仔山羊。 [04:06.81]手に入れたおクスリを待ち帰り、涙が落ちる。 [04:12.80]ボロボロになって倒れてる、母親がいました。 [04:18.86]角は折られ、皮をはがされ、ハラワタはえくりとられてました。 [04:25.10] [04:48.27]月は青く輝き、風は鳴りやまない。 [04:54.16]吊り橋の下、潜むケモノ、 [05:00.22]渡るモノを貪り喰らう、村ビトのウワサ。 [05:05.87]どうやらその潜むケモノが、三匹に増えたらしい。