いつも二人、ずっと二人。 姉上とボクはうりふたつ。双子の姉弟だから、時々入れ替わって遊んでた。 剣道、弓道、乗馬に鷹狩り、ボクの方が上手だから、ボクの役目。 茶道、華道、書道に料理、ボクは苦手だから、姉上の役目。 お城のみんなは誰も気がつかない、文武両道だって褒めてくれた。 深まる絆、信頼、愛情。僕達は二人で一つ。 いずれ殺される運命(さだめ)、倒幕、維新、ボク達には関係ない。 酷い時代、大人たちの勝手。 相手を油断させる為、誰かを婿入りさせる、滅びの策略。 都から遠く、東の城へ。ボクが選ばれた。覚悟を決めた。 しかし姉上が言った。貴方の武力は今、我が城に必要不可欠。 だから、私が代わりに行く。私にはそれしかできないからって。 入れ替わって遊んでいた様に、姉上はボクの服を着て、逢坂(おおさか)の関を越える。 姉上のあの目、何を言っても無駄だ。 ならば、僕達の親友、この仔猫を連れて・・・いつも傍に。 東の城、屍山血河(しざんけつが)、 血まみれの道に軍隊、戦争がはじまった。 フクセンが張られる。燃える城、未来は埋められる。 号砲、炎上、破砕鎚、次の攻撃で、城は確実に堕ちる。 姉上が僕の変わりに死ぬ。いや、僕だ。 誰も気づかない愉快なイタズラ。僕達はもう入れ替わっていた。 男のボクが最後に生きるとか、死ぬとか、格好付けて決める。 これって結構いいよね。さあ、早くこの仔猫を連れて逃げて。 運命の交差点、ボクは残り、姉上は去った。 深まる絆、信頼、愛情。もう僕達は・・・それぞれで一つ。 敵も味方も神様も、全部まとめて欺(だま)してやった。 目を閉じ覚悟を決める。姉上が見える。 最後にいい夢が見れて、ボクは幸せだ。 夢じゃない、あの筋肉、ちょび髭、熱い眼差し。 嘘じゃない、のぶ○がです。 完全に、のぶ○がです。 死ねば良かったのかな、ボク。知らない方がよかった。 こっち見てる、横目で見てる、戦いながらこっち見てる。 風になびく、あのちょび髭、いったい何なの姉上様。 ラッパ吹いてる、ちょっとはにかむ、練習しとけよコノヤロウッ 夢じゃない、あの貫禄、ちょび髭、なんかダルそう。 嘘じゃない、のぶ○がです。 完全に、のぶ○がです。 夢じゃない、肉弾戦、武器より、効果的です。 嘘じゃない、のぶ○がです。 完全に、のぶ○がです。 我こそは第六天魔王、根の国より、黄泉還(よみがえ)らん。 地獄より喚び寄せた古(いにしえ)の力で、ガイアの嘆きと共に葬り去ってくれよう。 戦国時代の厨二です☆ でも強い、マジで強い。完全に、大勝利です。 ところでさ、頭の上、あの仔猫、乗ってますよ。 どけてみた、正気になる。乗せたら、のぶ○がになる。 どけてみた、正気になる。乗せたら、のぶ○がになる。 猫が好きです。