村の峠の 一本松に 赤いさみしい 陽が沈む あたしゃ貰い子 親なし雀 背のびしたとてョ あの家は見えぬ なぜか泣きたい 日の暮は 遊びざかりを かやの木山で 今日も一日 焚木とり 親子仲よく とぶ鳥見れば なつかしいぞえョ 在所の空が 恋し母さん どこへ行った 指の数ほど 夕星夜星 あたしゃ貰い子 只ひとり 峠ほそ径 しょんぼり帰えりゃ 心細いぞョ 浮世の旅は 松葉しぐれが ちらちらと