憂いを帯びている 熟した蕾 咥えて 「私は独りじゃ駄目なの、ずっと傍に置いて」 赤い革湿らす温い空気 甘くさせ 口先緩ませて 濡れた瞳で欲しがる あぁ しなだれて絡め合い 胸元に残す まだ君を抱いていたい 体に纏う薫りが掠れてしまうまで 重なり合う確かな感触さえも 訪れる眠りが消し去っていく まどろみの中では全て曖昧なままで 濡れた戯れの後の眩暈 首筋に残す そして もっと君に抱かれていたい 体を包む微熱が薄れてしまっても 狂おしいほどに僅かな痛みだけが 引き寄せる現実を少しだけ忘れさせる 「戻りたくないずっと このままずっと ずっと ずっと…」