船にのるわ 船にのるわ 今夜窓をあけて 船にのるわ 船にのるわ 子供の頃に 枕の下に かくしたままで 忘れていた白い船 空の中へ 船の上には 船の上には 目に見えない水夫が 幾千万の時をへだてた 遠い昔の 遠い音の 祭の歌を祭の歌をさし出す 透きとおる手のひら かすかに光る水 いつのまにかさざめく星たちの海原に ぽつりと浮かんだ わたしの船は あのひとをさがしてる 海に落ちた あのひと 波がさらった やさしい人を 船にのるわ 船にのるわ さよならの足音 ドアのむこうに近づいて来る この部屋まで来ないうち いかりを上げるのよ 港をはなれるの あのひとをさがしてよ 海に落ちたあのひと 死ぬまで好きと言った あのひと あのひとをさがしてよ あたたかな手をしてた あたしひとりをみつめてくれた ここにいるのは、あのひとじゃない 知らない人よ 知らない人よ そうでしょう きこえない なんにも ゆるしてくれ なんて