[0:00]どうぞ、話して [0:06]「それは遠い昔のこと。 [0:13]僕は幼く、体も小さく、 [0:19]一人きりの日々で。 [0:27]いつしか、隣に [0:33]似た風の人がいたんです。 [0:40]とても幼く、体も小さく、 [0:47]一人きりの少女 [0:54]僕らは毎日、話をしたんだ。 [0:59]声も名前も、思い出せないけど [1:08]雲が流れたとか、花が咲いたとか [1:14]それだけで良かったんだ。」 [1:21]それは恋よ、グレゴリオ [1:26]暗い夜の淵でも、 [1:29]一人手探りのまま、ゆけるようにと [1:35]誰かがそう、残した [1:39]淡く燃える光よ、 [1:43]忘れないで [1:51]「傘を濡らして [1:57]二人で歩いたんだ [2:03]跳ね立つしぶきも、雨蛙の声も [2:10]鮮やかに覚えているのに。」 [2:18]いいえ、 [2:21]思いたせないこともあるでしょう? [2:31]誰もすべてを、心の隅っこに [2:38]おいておける訳じゃないのよ。 [3:38]「悲しいことは思い出せないこと [3:45]それも忘れてしまうこと」 [3:52]泣かないでグレコリオ [3:58]盲いたその目では、 [4:00]正しさは曇って [4:04]見えないとしても [4:06]私が教えてあげる、 [4:11]その話の続きを、 [4:15]さあ! [4:18]「これが、恋」とグレゴリオ [4:21]暗い夜の淵では、 [4:25]一人手探りのまま [4:29]歩けないのだと [4:31]杖になり寄り添ったまま、 [4:34]折れてしまうその日を、 [4:39]怖がりながら [4:47]これは恋よ、グレゴリオ [4:51]暗い夜の淵では、 [4:55]貴方無しではもう、 [4:58]歩けやしないよ [5:02]微笑んでグレゴリオ [5:07]雲が流れたんだよ [5:14]ねえ