[00:00.72]夕べ [00:04.49]月も凍るほど冷たい夜 [00:11.04]酔い潰れていた [00:14.01]妙に浮かれると [00:17.17]誰彼となく肩を抱きあいながら [00:23.76]"俺の話を聞いてくれるかい"っと頬を並べ [00:35.73]舐めあいながら [00:39.42]少なくともこんなふうに集う夜には [00:49.59]しゃべりしぎたり [00:53.52]おどけすぎたりしながら [00:58.21]後味の悪さを感じる目覚めが来るまで [01:05.74]酔いが俺のために安らかに奏でてくれる事を信じようと思う [01:23.70]そして片寄せ合うひとりぼっちの様々な価値観を [01:38.77]ロマンチストの言葉を借りて [01:43.19]あまりにもちっぽけに [01:49.30]あまりに滑稽に [01:57.06]それでも何ひとつ失望することなく [02:08.76]星の流れにも似た一定の方向へ [02:17.14]吸い殻の山の向こうの笑顔とアルコールを抱きしめて [02:26.80]何よりも孤独であると [02:33.18]何よりも人が一番滑稽であると [02:44.24]白い壁を赤く濡らす [02:51.20]安っぽい色に染まってしまおう [02:58.05]テーブルに並べられたグラスも [03:06.86]もうどれが自分のグラスだったのか判らないほど酔っていた [03:19.22]彼は時々誰かを捕まえてたくさんの御託を並べ合うと [03:33.13]興奮したそいつの鼻が震えているのを見ていた [03:48.53]けれど床に落としたぼやけた自分の影が [04:00.98]ゆらゆらゆれているのが [04:08.47]その空間と溶け合っているのを見ると [04:17.30]自分の認識するものがすべて正しいという訳じゃないんだなと [04:28.60]なんだかおかしくて [04:35.96]自分の事だけで手いっぱいだという無力さに気づき [04:49.15]あたりを見回すと [04:53.47]ウェイターは [04:57.16]そんなものだろうと無口にウィスキーを注いだ [05:11.43]曲が流れた [05:16.27]大きな音で足元に向かってこういった [05:28.11]"この曲は俺のためにあるんだ [05:39.45]俺とおまえと" [05:44.81]