鈍色(にびいろ)の 空(そら)を渡(わた)り 水鳥(みずとり)は海(うみ)を夢見(ゆめみ)る 薄闇(うすやみ)に 落(お)ちる影(かけ)を 荒(あ)れ果(は)て野(の) 孤独(こどく)と記憶(きおく) 幼仔(こども)の 小(ち)さき眸(ひとみ)は 揺(ゆ)りかごを求(もと)め彷徨(さまよ)う 裏路地(ろらろじ)に 荊道(いばらみち) 靴音(くつおと)は正邪(せいじゃ)の奏(かな)で かたち亡(な)くしてゆく正(ただ)しさに 削(けず)り取(と)られ 僕(ぼく)は 選(えら)び 踊(おど)る 君(きみ)を乗(の)せて漕(こ)ぎ出(だ)す船(ふね)が迷(まよ)わないように 深(ふか)く流(なが)れる並(な)みの底(そこ)に光(ひかり)を抱(だ)いて眠(ねむ)ろう 鴇色(ときいろ)の 冷(つめ)たい手(て)は 語(かた)り部(べ)の声(こえ)を摘(つ)み取(と)り 格子戸(こうしど)に 掛(か)かる月(つき) 銃声(あまおと)は歴史(れきし)を描(えが)く 絡(から)みつく運命(さだめ)の振(ふ)り子達(こたち) 歪(ゆが)む街(まち)は 僕(ぼく)に 与(あた)え 奪(うば)い 謳(うた)う キミをかましませる総(すべ)てを浄(きよ)めるように 強(つよ)く風(かぜ)の吹(ふ)くこの国(くに)で消(き)せない虹(にじ)を探(さが)そう 絡(から)みつく運命(さだめ)の振(ふ)り子達(こたち) 沈(しず)む街(まち)が キミと 僕(ぼく)を 選(えら)び 造(つく)る キミを掲(かか)げるこの世界(せかい)で誇(ほこ)れるように 遠(とお)く砂漠(さばく)の丘(おか)の上(うえ)で果(は)てない朝(あさ)を飾(かざ)ろう 君(きみ)を悲(かな)しませる全(すべ)てを浄(き)よめるように 強(つよ)く風(かぜ)の吹(ふ)くこの国(くに)で消(き)せない虹(にじ)を探(さが)そう 終わり