カルナヴァル 【嘉年华】 君(きみ)が帰(かえ)って行(い)くのは 深(ふか)い森(もり) 後(うし)ろ姿(すがた)が路(みち)の 向(む)こうに滲(にじ)むよ 町(まち)は賑(にぎ)わう靴音(くつおと) 笑(わら)い声(ごえ) 窓(まど)に灯(あか)り掲(かか)げ 長(なが)い祝祭(しゅくさい)が始(はじ)まる 命(いのち)の罪(つみ)と 歓(よろこ)び 君(きみ)の失(な)くした笑顔(えがお)は 深(ふか)い森(もり) 僕(ぼく)は流(なが)れる 人波(ひとなみ)を遡(さかのぼ)るよ 耳(みみ)を塞(ふさ)いで 一緒(いっしょ)に もう此処(ここ)から 逃(に)げよう 思(おも)い出(で)のあの樹(き)の 幹(みき)の天辺(てっぺん)に 輝(かがや)く星(ほし)一(ひと)つ 飾(かざ)りに行(い)こう 思(おも)い出(で)のあの樹(き)の 足下(あしもと)に二度(にど)と 悲(かな)しみの炎(ほのお)が 近(ちか)づかぬように 君(きみ)の閉(と)ざした心(こころ)は 深(ふか)い森(もり) 細(ほそ)い三日月(みかづき) 闇空(やみぞら)に爪立(つまだ)てるよ 高(たか)い枯(か)れ草(くさ) くぐって さあ 扉(とびら)を 開(あ)けよう 僕達(ぼくたち)のあの樹(き)の 芽吹(めぶ)いた緑(みどり)を 綿(わた)のような雪(ゆき)で 包(つつ)みに行(い)こう 僕達(ぼくたち)のあの樹(き)の 傷跡(きずあと)に二度(にど)と 鉛色(なまりいろ)の雨(あめ)が かからないように 僕達(ぼくたち)のあの樹(き)の 暖(あたた)かな森(もり)に すべてを許(ゆる)されて 一緒(いっしょ)に眠(ねむ)ろう 一緒(いっしょ)に帰(かえ)ろう 誰(だれ)も知(し)らない 僕達(ぼくたち)の祝祭(しゅくさい) 誰(だれ)も知(し)らない 約束(やくそく)の祝祭(しゅくさい)