悲しくてさ 眠れずにさ ポストにがたん、と音がする ねぇ新聞屋さん 僕の今日は 君にとって昨日のこと? 夢でさえも会えない人 その世界まで届くように できるだけ大きな音 できるだけ素敵なこと ご覧 世界中に くたびれ眠るだけの僕も 当たり障りなく笑うあなたも 帰らない人を待つ貴婦人も 泳げない金槌のペンギンも 値札の向こうで眠る猫も 笑えない鬱病の道化師も 見慣れた街の鉛色の あらゆる弱者をまきこんで 鳴るミュージック に包囲された 今世界のどこにも逃げ場はない