astro-ho それは今世紀の逸脱者の話 astro-hoが目指したのは 新天地と呼ばれる 高級移民住宅の惑星 ケンタウロス座のα星から インターネットでカウボーイハットを借り 窒素呼吸系生物のクラブでは 火星のスラングを話す 「もはやテラは流行らない」 これが彼の口癖だった 可哀想なastro-ho 誰にも似ていない 地球ではマイナーと呼ばれ しし座の人工惑星の とある国家に帰化した途端 テラ駐在の領事官に 国民クジで抜擢される 身に付いた土星訛りが フツーのテラ人の羨望の的となり 行く先々で取り囲まれる 可哀想なastro-ho 晩年にチタンの枕を涙で濡らし 遺言のポーズでルナ語を吐いた 「私を故郷に帰して欲しい」 可哀想なastro-ho 誰にも似ていない