「Crimson Fish」 花 彼だけが呼ぶ  その私の名前は誰にも奪えない もう 冷たくすればすぐ 諦めると思っていた誤算 ふわり浮かぶ 私が背負う闇が あなたを屠(ほふ)るから 側に 来ないで これ以上は 紅王攵瑰 肌に刺くゆらめき 滑らせて 溺れる私の鱗を剥ぎ足を与えて 水底にある閨(ねや)  たなびく九華帳(きゅうかちょう)は 一重一重と密を重ね 金魚缸 恋してはいけないはずだった あなたのいない世界なんて自由と呼べない 紅王攵瑰 肌に刺くゆらめき 滑らせて 溺れる私の鱗を剥ぎ足を与えて 【 おわり 】