作曲 : 一志 作词 : 一志 あれは神無月肌を焦がす御日様が俯きだした頃 俄に咲いた金木犀が香を吐き微かに薫る頃 膝を抱え虚ろな 私に宿る最期の灯りを闇に誘う蒼い鬼を視た それは霜月息を漏らせば夜に融け幽く白む頃 路傍に咲いた山茶花が供えられた菊花に見えた頃 日々惚けて彷徨う私に向けられた瞳の奥 栖まう矮小な蒼い鬼を見た 然れど然れど契りは消えてその糸がこの頚絞めようと 未だ未だ未だ遂げられぬ約束の日終に忘れ得ぬ 人の心は水のよう色が堕ちれば乱る 幾ら隠しても淀みは底へ底へ沈み固まる 縮み 踞み また蹲り厳かに焔を焚き続け 石を齧り静かに滾るこの命よ静謐に燃えよ 若しもいつか時の砂漠で 乾涸びて涙も尽きようと この世憂う恵みの雨が新たな地に降ると信じて 然れど然れど契りは消えてその糸がこの頚絞めようと 未だ未だ未だ遂げられぬ約束の日終に忘れ得ぬ