水色写真 麗(うら)らかな陽(よう)の光(ひかり) 零(こぼ)るる 今日(きょう)は君(きみ)へとお別(わか)れを言(い)う日(ひ) 傍(そば)にいる 君(きみ)は何(なに)も知(し)らない これから起(お)こる事柄(ことがら)について いつもと変(か)わらぬ調子(ちょうし)の会話(かいわ)は滞(とどこお)りなく 君(きみ)は未来(みらい)を語(かた)り 僕(ぼく)はそれを聞(き)いてる 水色(みずいろ)をした淡(あわ)き空(そら)の真下(ました) 後(うし)ろめたい心(こころ)くを隠(かく)して 最(さい)後(ご)のその時(とき)までは明(あか)るい顔(かお)でいよう 普段(ふだん)通(どお)りを演(えい)じていよう 最後(さいご)の時(とき)までは 出来(でき)るだけ傷(きず)つけないような言(こと)葉(ば)を選(え)れび 君(きみ)の伝(つた)えよう そんなことをしたところで意味(いみ)など無(な)いと理(り)解(かい)ってはいるけど 少(すこ)しでも罪悪感(ざいあくかん)から 逃(のが)れたいだけなんだろう 偽善(ぎぜん)にも似(に)た思考(しこう)に嫌気(いやけ)が差(さ)してくるよ 自分(じぶん)の脆(もろ)さそれゆえ躊(ちゅう)躇(ちょ)して 寸(すん)でのとこで切(き)り出(だ)せずにいる 君(きみ)の笑(え)顔(がお)を見(み)ていると胸(むね)が苦(くる)しいから 固(かた)い決心(けっしん)までぐらつき 揺(ゆ)れはためてしまう そういえば 今日(きょう)の君(きみ)はよく喋(しゃべ)ってるね もしかして沈(ちん)黙(もく)を嫌(きら)っているのかな 水色(みずいろ)をした淡(あわ)き空(そら)の真(ま)下(した) 僕(ぼく)たちはさよならをするの 涙(なみだ)で滲(にじ)まぬような笑(え)顔(がお)の別(わか)れを どうやらふたりは出来(でき)そうにないけど 水色(みずいろ)の空(そら)の彼方(あなた) 君(きみ)が望(のぞ)む明日(あした)  僕(ぼく)はその場(ば)所(しょ)にはいないね 未(み)来(らい)の君(きみ)と僕(ぼく)は別(べつ)の世界(せかい)を生(い)きる  二度(にど)と交(まじ)わることはない 本当のさよなら... 麗(うらら)やかな淡(あわ)き空(そら)の下(した)で fin