音の無い静かな公園で、 僕は少し考え事をしている。 家に帰る道を急がないのは、 夜が来ることを恐れた人。 珍しく晴れた梅雨の空だ。 青色のブランコに座って 晩御飯を待っているのは、 子供の手を握る人。 花壇には大きなあじさいと、 その合間、縫って生える雑草。 うつむいたまま煙草を吸う人。 紛れもない僕のこと。 日が落ちる。 映画みたいに輝いた夕焼けに身を任せて、 このまま溶けてしまいたいよ。 許すこと、許すべきでないこと。 焦ること、焦らなくていいこと。 その全てはどうでもいいこと。 早く捨ててしまおうか。 顔を上げる。 映画みたいに輝いた夕焼けが目に染みたって、 夕焼けに責められたって、 夕焼けに身を任せて、 このまま溶けてしまいたいよ。 点と線と面が産まれていく。それはとても綺麗で素敵だね。 日が落ちる。 映画みたいに輝いた夕焼けに身を任せて。 顔を上げる。 映画みたいに輝いた夕焼けが目に染みたって、 夕焼けに責められたって、 夕焼けに身を任せて、このまま溶けてしまいたいよ。