[00:00.66]世界を救いし隻腕の英雄亡き後 [00:04.01]邪神が封印されし地に街を築き [00:06.95]自らが結界の役割を果たし [00:10.50]永き平和への礎と成す… [00:14.04]誇り高き右腕に刻まれし雷の紋章(あかし) [00:17.83]彼の者達の名は 雷神の民 [00:21.23]伝承の謎 紋章の秘密 [00:24.78]少年が描く軌跡 雷神の系譜 [00:36.41]弱い者ほど徒黨を組み [00:39.97]身代わりの羊を捜す [00:43.56]愛を知らない幼き日々は [00:47.10]灼けた石の痛み [00:50.25]ひとり唇噤んだまま [00:54.15]膝を抱えて耐えていた [00:57.63]雨も宿ればいづれ過ぎ去る [01:01.23]嵐もまた然り [01:04.88]されど輝やかざる紋章(しるし) [01:08.18]本當の強さって何だろう? [01:11.78]差し出された少女の小さな手が [01:16.57]とても大きく見えた… [01:23.27]黙したまま何も語らぬ歴史の手の平の上で [01:28.80]出會ってしまった少年と少女の物語 [01:35.19]十年の歳月も一閃の雷が如く [01:40.94]過ぎ去ってしまえば剎那 [01:44.08]今…黒の歴史が再び動き出そうとしている… [01:49.22]遠い空見上げて この胸を焦がす [01:59.72]浮かぶのは彼女の 愛らしい笑顔だけ [02:10.34]適わぬ想いと 識っていながら… [02:21.33]麗しの君は何故 一族の長の娘 [02:23.53]部族一強き者の許へ [02:26.17]嫁ぐこと定めしは 変えられぬ民の掟 [02:30.91]嗚呼…雷(ちから)無きこの腕じゃ 君のこと護れない? [02:34.28]想いなら誰にも負けないと [02:36.63]叫んでもその言葉 虛しくも風に消えた… [02:42.25]期は満ちようとしていた 長の娘も今年で婚禮を定められし齢十六 [02:50.29]その誕生の日が差し迫り 一族の猛者達は競って名乗りを上げた [02:56.33]期は満ちようとしていた 邪悪なる波動が街全體を包み込み [03:02.67]空に立ち込めたる暗雲は <三度目の嵐>の訪れを告げようとしていた… [03:10.11]「おぉ…何ということじゃ…!黒き法衣(ローブ)を纏いし者達の影が見える… [03:17.84]予言書の使徒、奴らを封印の深奧へ行かせてはならん、 [03:22.46]邪神の封印を解こうとしておるのじゃ…! [03:25.46]いまや雷神様も血も薄れ、我らに扱えるは小さき雷のみ… [03:31.94]あぁ恐ろしいや…!天地を揺るがす強大な力じゃ…來るぞ…あぁ來るぞ…!」 [04:40.76]地を割る咆哮 天を裂く爪牙 烈火の如く燃えさかる六対の翼 [04:47.51]暗黒を宿した瞳に魅いられただけで 勇猛なる戦士が次々と倒れていった… [04:54.74]嗚呼…人間とは神の前では かくも無力なモノなのだろうか… [05:00.14]誰もが深い絶望に呑まれかけていたその瞬間(とき) [05:04.08]一際眩い閃光が雷(ちから)無き青年の體を貫いた… [05:09.32]「覚醒め(めざめ)よ…勇敢なる右腕を持つ者よ… [05:13.16]直系の雷(ちから)を受け継ぎし者よ… [05:16.10]かつて私は邪神(やつ)を封印せし折、雷の槍を放ったが故右腕を失った… [05:23.69]今その雷(ちから)を開放すれば、右腕はおろか全身が吹き飛ぶやも知れぬ… [05:30.59]御主にその覚悟があるか? [05:33.27]…ならば今こそ覚醒め(めざめ)よ<雷神の右腕>よ!」 [05:37.82]「ひとりでは耐え切れぬ雷(ちから)でもきっと、ふたりなら大丈夫私は信じる!」 [05:51.54]暗雲を貫く雷 あの日出會った少年と少女は [06:05.10]今…二つの紋章(しるし)重ね合わせて 輝ける未來(とき)を紡ぐ… [06:38.79]「…ちゃん…ねえ…お婆ちゃん…お婆ちゃんったらぁ!」 [06:45.38]「どうしたの?それからお話どうなったの?」 [06:49.82]「おお…そうだったねえ、ごめんよ。」 [06:53.82]「その後、雷神様が邪神をやっつけたんだよね?ね?」 [06:58.70]「さて、どうだったかねえ…昔の話だからもう忘れちゃったねえ…」 [07:05.80]「えー、そんなのずるいよぉ。」 [07:27.07]…そう言って微笑んだ祖母の瞳(め)は とても優しい色をしていた [07:33.16]…その時の事は今でも印象深く覚えている [07:37.75]…私は信じているのだ 雷神の系譜は途絶えていないのだと…